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細菌性赤痢


小型のサルによく見られる細菌性腸炎

腸に関する病気は哺乳類動物にはつきものとなっています。
中でも細菌感染に由来するものは動物だけでなく人間にも共通した症状となっており、重篤になるとかなり危険な症状に進行します。

赤痢という病気は以前より海外旅行に行った人が帰国後に発症するケースが多い病気としてよく知られており、とりわけ衛生状態の悪い東南アジアや中国などに旅行に行ったときに発生することが多いようです。

細菌の大規模な事例としては2007年に新潟市内の大学生グループが中国の上海・蘇州に旅行に行ったのちに帰国し、参加者の一部が細菌性赤痢に感染していたことが発覚しました。

この旅行グループは総勢24名と引率教官1名で、4泊5日の研修旅行に出かけたところ旅中より数名が下痢症状を訴えており、一旦は内服薬を服用することで症状は収まったものの、帰国後にさらに重い症状として発症したという流れとなっています。

この事例が注目を受けたのは、旅行に参加をした人間が帰国時に検疫申告をせずにそのまま集団生活を行ってしまったことにあります。

グループに参加したメンバーの中には帰国後すぐに飲食店のアルバイト勤務をしていたという者もおり、感染性赤痢という病気の危険性が現在では十分に伝えられていないという現状が浮き彫りになりました。

強い感染性を持つ世界的な病気

細菌性赤痢は古くから存在が確認されている比較的有名な感染症です。
日本においては最も身近で衛生状態や水道インフラが整備されていない東南アジアや中国地域で感染する例が多くなっていますが、世界的にも病原体は広く分布しており特定の地域のみの病気というわけではありません。

感染症としての危険度も専門機関ではかなり高く想定されており、最も重い「A群(志賀赤痢菌)」という菌に感染してしまうと血便や腎臓部分からの出血が伴われることもあります。

ただし赤痢は既に世界的に治療法が確立している病気であることから、発見が早ければすぐに抗菌薬を投与し、しばらく安静にしていればすぐに収まります。

ヒトへの主な感染経路は食品を通してで、過去には屋台で購入したヨーグルトから感染したとみられる事例もあります。
よく「外国では生水を飲んではだめ」と言われますが、これはまさに赤痢菌を警戒してのことです。

動物から感染するという事例もあり、対象となる動物はサルが大半です。
サルが感染性赤痢に感染をすると、ヒト同様に激しい下痢症状とともに、血便や腎臓部からの出血が発生します。

ヒトよりもむしろサルの方が感染性赤痢では重篤化することが多く、発症後2週間程度で死亡してしまうことも珍しくありません。
身近なサルが軟便をしたときには不用意に触れたりせず、早期に医師の診断を受けましょう。