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エキノコックス症


キツネ類によく見られる寄生虫

エキノコックス症とは、寄生虫の「エキノコックス」が体内に入り込むことによって起こる非常に危険性の高い病気です。

日本において急激に「エキノコックス症」という病気が有名になったのは平成6年に起こった旭川動物園での動物の死亡事件からです。

当時旭川動物園の人気者であったゴリラの「ゴンタ」は前年の秋頃から病状を見せており、当初は脳腫瘍ではないかと診断されていました。

しかしのちに病原がエキノコックスという寄生虫であり、同じ動物園で生活をしていたワオキツネザルの「メイ」も同様の病気によって死んだということが病理検査により発覚しました。

それまでも北海道各地に生息しているキタキツネがエキノコックスを所有している危険性があるということが指摘されてはいたのですが、実際に動物園内で立て続けに人気動物が死んでしまったことにより急激に「エキノコックス」という名称が有名になりました。

キタキツネは北海道を代表する動物であり、道内の道路を走行していると比較的簡単に見かけることができます。
見た目の可愛さもあってついつい野生のキタキツネを見つけたときには歩み寄って餌付けをしたり直接体に触れたりしたくなるところですが、そこから感染が起こってしまうと人体にも重大な悪影響が及ぼされます。

エキノコックス症を防ぐために最も大切なことは「キツネに直接触れない」「キツネの糞尿や食べ残しに近寄らない」「キツネに近づいたあとには丁寧に手洗いをする」ということに突きます。

キツネだけでなく犬にも感染する事例があります

エキノコックス症はキタキツネだけでなく、犬にも感染することがわかっています。
もともとキツネと犬は同じイヌ科の動物なので体質も近いのですが、キツネを媒介して犬にも感染しそれが人間にまで感染範囲を広げるという事例もあります。

最初はキタキツネの生息域である北海道のみの感染症と考えられていたのですが、その後2005年に埼玉県で捕獲された犬の糞からエキノコックスが発見されており、現在では野生のキツネや犬は全国どこでも危険があると言ってもよいくらいです。

キツネから犬に感染する経路として考えられているのが、感染した野ネズミに触れてしまうということで、口に加えただけでも寄生虫の卵が経口で入り込むことがわかっています。

犬は感染をしても比較的症状が出ないのですが、それがヒトに感染すると一気に重篤化します。
エキノコックス症を放置した場合の致死率は90%を超えるとされており、絶対に感染しないように気をつけるということが重要になってきます。

特によく飼い犬を山林につれて行く習慣がある人は要注意で、放し飼いにした犬が寄生虫卵のある土や泥をなめたり、生水を飲んだりすることでも感染の危険性があります。