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腸管出血性大腸菌感染症


動物とのふれあい体験からの感染例もある怖い病気

腸管出血性大腸菌感染症は、ベロ毒素が大腸部に感染することによって起る重篤な腸炎です。
ヒト同様に哺乳類は体内に大腸を持ちますが、その内部には数億にもおよぶ数の細菌が常駐しています。

しかしそれら細菌類は本人のためになるものばかりとは限らず、場合によっては体に悪い影響をもたらしてしまうものもあります。

中でも特に性質が悪い例として「腸管出血性大腸菌感染症」があります。
これは大腸菌の中でも病気のもとになるとされる約170種類の病原性大腸菌の中の1つであるベロ毒素がもとになったもので、大量に繁殖することで腸内に炎症を起こし出血などの症状を起こします。

ベロ毒素が原因になって起る腸炎はいくつか種類があるのですが、出血を伴う炎症を起こした場合を「溶血性尿毒症症候群(HUS)」と呼び、これを引き起こすものを腸管出血性大腸菌といいます。

代表的な腸管出血性大腸菌としてはO-157やO26、O111といったものがあります。
中でもO-157(オーイチゴウナナ)に由来するものは近年集団感染を起こして社会問題化することもあり、流行する時期には十分に注意をする必要があります。

動物にもこの腸管出血性大腸菌は感染する事例があり、O-157を保有していた動物の体に触れた児童が集団感染をした事例もありました。

2006年7月に青森県で起こった例では、牧場での「ふれあい体験」としてウシの搾乳などを行ったところ、その後参加者の小学生の一部に感染が確認されました。

O-157の感染経路と動物への感染

O-157については毎年のように流行しているので、食中毒が起こりがちな時期になると厚生労働省や最寄りの保健所から注意喚起のための広報活動が行われます。

O-157の主な感染経路は飲食物を介するもので、他にも菌に汚染された調理器具や食器類を使用することでも大量の感染者を生み出します。

非常に感染力が強いことが特長となっており、他の感染性菌類が100万単位の菌で感染の危険性があるのに対し、O-157は100程度の菌が付着していれば感染が起ると確認されています。

動物への感染例としては先に説明をしたように家畜用のウシに頻繁に見られており、ふれあい体験の他に学校内や牧場で飼育されていたウシから人に感染したという事例もあります。

少ない菌でも感染が起こってしまうO-157では、餌用の食糧に触れたり、糞尿を片付けたりすることによりヒトに感染してしまいます。

感染を防ぐためには動物の体や糞尿に触れたときには速やかに触れた部分を洗い、感染が発覚した場合には家族に感染しないよう使用するタオルなどの生活用品を区別するようにしましょう。