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SARS(重症急性呼吸器症候群)


コロナウイルスによる呼吸器官に重篤な症状を与える病気

SARS(サーズ)は、別名「重症急性呼吸器症候群」とも言われるコロナウイルスを病原菌とした非常に症状の重いインフルエンザです。

ここ近年で最も有名になったのが2003年に中国南部の広東省で起こった集団発生で、日本も距離が近いこともあってかなりピリピリした雰囲気が流れました。

SARSとほぼ同時期に流行したのが「鳥インフルエンザ」で、こちらはコロナウイルスではなく「H7N9」という動物の体を仲介して人間の体内にも感染するとくより悪質なものとなっています。

この2つはいずれも流行期に海外旅行に出かけることで感染リスクが高まるということで共通しているため、時期によっては外務省が直接注意喚起を呼びかけることがあります。

ただしSARSが呼吸器に影響を及ぼす病気であるのに対し、鳥インフルエンザは全身に影響のある重篤な症状を引き起こすのでより一層の注意が必要であると言えます。

とはいえSARSも一度罹患をしてしまうとかなりつらい症状となってしまいますので、流行が予想される時期には感染しないようにマスクや手洗いなどで十分な対応策を取っていくことが望ましいです。

病原体は人間の身近な動物に潜んでいます

SARSがどれほど恐ろしい病気であるかを知るには、2003年に実際に起こった集団感染事例を読むのが一番です。

事の発端は2003年2月に上海と香港を訪れたのちにベトナム・ハノイに入った旅行者が激しい呼吸器の不調を訴えて病院を受診したところ、そこで勤務していた病院スタッフや患者らが集団で感染し3月12日までに40人が診断されました。

時を同じくして香港でも中国地域から訪れた旅行客での感染例が見られており、のちにWHO(世界保健機関)は2002年11月16日~2月下旬までに中国広東省で300人以上が罹患していたと発表しました。

SARSの病原菌はコロナウイルスの中でも特に悪質で新型の「SARSコロナウイルス」と呼ばれる独特のもので、豚やマウス、鶏、七面鳥などの呼吸器系などに侵入します。

感染経路として考えられているのが咳やくしゃみによる飛沫や、糞への接触ですが、空気感染の疑いもありまだ完全に病原が明らかになっているわけではありません。

家畜類の他に、野生動物であるタヌキやハクビシン、ネズミといったものが病原を運ぶということも研究されており不用意に野生動物やその死骸に接触したり、落ちている糞を片付けるために触れたりすると危険です。

SARSは重症化しやすい病気ですが、実際に重篤化する割合は10~20%程度で、残り約8割は数日の軽い症状で回復をするということがわかっています。