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野兎病


病原菌

げっ歯類を媒介して広がる病気

「野兎病(やとびょう)」は、「野兎病菌」というグラム陰性桿菌を通して感染する代表的な動物由来の感染症です。
桿菌(かんきん)とは大腸菌のように細長い円筒形をした細菌のことで、野兎病菌は中でも0.2~0.7μミリという非常に小さいサイズをしていることが特徴です。
通性細胞寄生菌としても分類されており、野生のウサギやその他のげっ歯類の体内に多く寄生し体内の細胞内で増殖します。
そのため菌保有動物の血液を吸うマダニなどの虫が野兎病菌を持ち出し、別の動物の体内に運ぶという可能性があります。
もちろん菌保有の動物に直接接触をすることで感染をすることもあり、感染が起こってしまうと非常に高い致死率を示します。
感染力の高さと致死性により生物テロに使用される可能性もあると危険性を指摘されている菌です。

呼吸器感染に注意が必要

感染力の高い野兎病ですが、一つ大きな弱点となっているのが塩素への反応です。
野兎病菌は塩素に触れると感染力がなくなるため、水道水を媒介して感染が広がるということはありません。
つまり感染の疑いがあるときには素早く塩素消毒を行えば菌を無力化することができます。
一方で危険性が高いのが空気感染です。
病原菌が空気中にエアロゾルとして存在していると、少量であっても強い感染力を示します。
野兎病菌は感染をしてもすぐに発症せず3日~5日くらいの潜伏期間を経て発熱などの症状がでてきます。
この潜伏期の間に抗菌薬の予防内服があれば症状を防ぐことができますので、感染の可能性があるときには素早く専門医療機関を受診してください。